和を以て貴しとなす
新緑の美しい季節となりました。
本山に隣接して京都西山短期大学があります。毎年、百名程度の新入生が入学しますが、半分は中国からの留学生です。私は役職上、京都西山学園の理事長となっていますので、入学式では祝辞を述べます。
今年の入学式で、檀上から新入生たちを眺めたとき、中国人留学生たちのこわばった表情が印象的でした。そこで、私は一般的な挨拶をした後、中国人留学生たちに向かって片言の中国語で「ニィ、シェンティハオマ?」と問いかけました。「お元気ですか?」という意味です。瞬間、彼らは背筋を伸ばし、花が咲いたかのように一様に、にっこり微笑みました。
この時、私は思いました。本心で向かえば必ず心は通じるということです。これは僧侶となって私が学んだことの一つです。大体のことは本心より語り合えば解決したり通じてゆきます。
西山上人は、白木(しらき)念仏(ねんぶつ)ということをおっしゃられました。この身このままの心で素直に唱えるお念仏を白木念仏といいます。
素直な心、本心で向かえば、国籍を超えて心が通じ合うということを学ばせていただいた瞬間でした。
南無阿弥陀仏 合掌