読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

月かげ第160号

願わくは 花の下にて春死なん そのきさらぎの 望月(もちづき)のころ 西行(さいぎょう)法師 四月になりました。 桜を始め、野山に花が咲いています。花は、ただそこに咲いているだけで人の心を慰(なぐさ)めてくれます。 さて、私が俳句を作るようになって丸二…

月かげ第159号

阿弥陀仏、われを摂取したもうと 信ずるひとを念仏衆生という。 (範空上人) 春が近づいて参りました。 梅が咲き、水仙が咲き、木蓮の蕾がふくらんでいます。 私は今、本山で念仏の日暮らしを過ごしています。具体的に言いますと、堀本御法主(ごほっしゅ)と…

月かげ第157号

正月の子供に成(なり)て見(み)たき哉(かな) 小林一茶 明けましておめでとうございます。 年頭にあたり、本年の皆みなさまのご健勝をお念じ申し上げます。 さて、年齢を重ねるごとに、新年を迎える心持ちも少しずつ変わって参りました。子供の頃は、厳かな気…

月かげ第156号

「阿弥陀仏、此(ここ)を去ること遠からず」 『仏説観無量寿経』 今年も師走となりました。 一年は本当に早いものです。そして、私自身にとりましては、今年は多くの方々との終(つい)の別れがありました。 「あっという間の人生、ちゃっとのうや」と随暢師匠…

月かげ第155号

浄土門 ここにはじまる 照(てる)紅葉(もみじ) 鈴(すず)鹿野(かの)風呂(ぶろ) 今年も紅葉の季節を迎えました。 ご本山のもみじも少しずつ色づいて参りました。去る十月二十六日、ご本山では第七七〇回の西山忌が厳修されました。私は初めて称讃(しょうさん)導…

月かげ第154号

「浄土の法門と遊(ゆう)蓮房(れんぼう)とにあへ(え)るこそ、人界(にんがい)の生(しょう)をうけたる思出(おもひで)にて侍(はべ)れ」 法然上人 十月になりました。 十月一日より、ご本山の宗務総長・執事長に就任致しました。四年間の大役です。心して全うした…

月かげ第153号

智者(ちしゃ)のふるまいをせずして ただ一向(いっこう)に念仏すべし 法然上人 九月になりました。 リオオリンピックも終わりました。次は平成三十二年、東京オリンピックです。以前にもお知らせしましたように、阿彌陀寺では平成三十二年三月十一日(水)~…

月かげ第152号

「流派(ながれ)をくむ者 はるかにその源(みなもと)を尋ね、枝葉を愛する者 つとめて その根を培(つちか)う」 「大永(だいえい)の御忌(ぎょき)鳳(ほう)詔(しょう)」より お盆の月となりました。 さて、去る七月二十一日午前十時より、総本山光明寺御影堂(みえ…

月かげ第151号

海風(うみかぜ)の薫(かお)りて清(すが)し 下津(しもつ)浦(うら) 月空 梅雨も終盤にさしかかり、まもなく夏本番です。 去る六月二十二日、総本山光明寺護持会役員会事前打ち合わせで、小田豊護持会長(前長岡京市長)とお話する機会がありました。その会話の…

月かげ第150号

大いなるものにいだかれあることを けさふく風のすずしさにしる 山田無文老師 五月二十七日の朝のことでした。 本山の夏季の朝の勤行(ごんぎょう)は、五時半より始まります。その少し前、外は夜来の雨が上がりかけ、気温は二十三度程、少しむしむししていた…

月かげ149号

今今と今という間に今ぞ無く 今という間に今ぞ過ぎ行く 道歌 木々の緑が日(ひ)一日(いちにち)と色濃くなって参りました。 下津浦では、みかんの木がたくさんの白い蕾(つぼみ)をつけ、今年の豊作が期待されます。 本山では、三月四月の大行事を終え、新緑の季…

月かげ148号

菜の花や 月は東に 日は西に 与謝(よさ)蕪村(ぶそん) 四月になりました。 阿彌陀寺でも、桜が花を咲かせ、楽しませてくれています。 さて、私は一年ほど前より俳句を始めましたが、最近になって、ようやく作句のこつを少しつかみかけたように思います。生ま…

月かげ147号

今日彼岸 菩提(ぼだい)の種(たね)を蒔(ま)く日かな 詠み人知らず もうすぐお彼岸です。例年春のお彼岸の前後には、旧初午の日に、観音堂で観音さまのご供養をします。今年は十三日(日曜日)です。下津では、「七(なな)とこ参り」といって、下津町内七ヶ所の…

月かげ146号

梅(うめ)一輪(いちりん) 一輪ほどの暖かさ 服部(はっとり)嵐(らん)雪(せつ) 寒い日が続きます。 さて、私は、ここ一年ほど、趣味で俳句を詠(よ)むようになりました。毎月、本山の「ひかり」紙に投句し、掲載して頂いています。 俳句には、季語のほかにも細か…

月かげ第145号

衆生(しゅじょう)無辺(むへん)誓願度(せいがんど) (衆生は無辺なれども誓(ちか)って度(ど)せんことを願う) 「四(し)弘(ぐ)誓願(せいがん)」より 新年おめでとうございます。 年頭にあたり、本年が皆々様にとりまして、よき一年となりますよう、お念じ申し…

月かげ第144号

草も木も枯れたる野辺(のべ)に ただひとり 松のみ残る 弥陀の本願 知恩院御詠歌 本山の紅葉の賑わいも終わり、早や師走です。 今年も、多くの方々との出会い、再会と、別れがありました。特に今年は、印象深い別れが多かったように思います。 一般に死別は、…

月かげ143号

あみだ仏(ぶ)に そむる心のいろにいでば あきのこずゑのたぐひ(い)ならまし 法然上人 秋も深まりました。 ここ下津浦の山並みにもみかんがたわわに実り、収穫が始まり、忙しい季節となりました。色づく美しいみかん山は、人と自然の調和の風景であり、豊かな…

月かげ142号

よろこべば よろこびごとが よろこんで よろこびあつめ よろこびにくる (善因(ぜんいん)善果(ぜんか)のうた) 世の中には、よい意味でも悪い意味でも、驚かされる出来事が多々起こります。 先日、人間世界が娑婆(しゃば)であると思わざるを得ない出来事に遭…

月かげ141号

名月や池をめぐりて 夜もすがら 松尾芭蕉 知らぬ間に、朝夕、少しずつ涼しくなり、夜ともなれば、鈴虫が鳴いています。 今年の十五夜は、彼岸明けの翌日の九月二十七日です。「暑さ寒さも彼岸まで」のことば通りの心地よい季節、すすきも比較的見つけやすい…

月かげ140号

亡き人の 背を洗うごと墓洗う 作者不詳 暑い日が続きます。まもなくお盆です。お盆は、あの世とこの世の交錯(こうさく)する季節、一年の中でも特別な期間だと思います。 子供の頃、毎年八月になると、新潟県の田舎町の映画館では、必ず怪談ものの映画がかか…

月かげ139号

真理(しんり)は一つ、 聖者たちはそれをさまざまの名で呼ぶ リグ・ヴェーダ 去る六月十五日の朝、旧友の、シンガポール、ラーマクリシュナ・ミッションの副院長、スワーミー・サッティヤローカーナンダ師が、光明寺を訪れました。ラーマクリシュナ・ミッショ…

月かげ138号

つゆの身は ここかしこにてきゑ(え)ぬとも こころはおなじはなのうてなぞ 法然上人 今年は、高野山開創千二百年ということで、全国から大勢の方々が高野山にご参詣されました。四月二日の初日には、白鵬・日馬富士、両横綱の土俵入り、五月二十一日の結願法…

月かげ137号

根ほど葉広がる (ことわざより) 青葉の美しい季節となりました。 五月の連休は例年、下津上組の施餓鬼会が厳修されます。午後の法要なので、午前中に法事をして、出かけます。四日は、代務住職をしている梅田・地蔵寺の施餓鬼会です。 地蔵寺はわずか檀家…

月かげ136号

山の三角 弥陀の三尊 松吹く風も聖(しょう)衆(じゅ)来迎(らいこう) 西山上人 桜の季節になりました。 四月八日は花まつりです。お釈迦さまのお誕生日といわれています。お釈迦さまは、お生まれになって、七歩歩(あゆ)まれ、右手で天空、左手で大地を指さされ…

月かげ135号

夕日 親を思わば 夕日を拝め 親は 夕日の真ん中に 西の空見て 南無阿弥陀仏 弥陀は 夕日のその先に 玉虫 小説『親鸞』(五木寛之著)より 「紀州下津浦、ひなびた小さな港町にある古いお寺。そこは、いにしえよりの念仏者のふるさと。千年の昔より念仏の声が…

月かげ134号

生きて身を はちすの上に 宿さずば 念仏申す 甲斐やなからん 西山上人 立春とはいえ、まだまだ寒い日が続いておりますが、梅の蕾がふくらみ始め、春は確実にそこまで来ています。 今朝、イスラム国に拉致されていた後藤健二さんが殺されたと報道されました。…

月かげ133号

除夜の鐘なりしづまりぬ。 かそかなるそよぎをおぼゆ。 かど松のうれに 釈迢空 新年おめでとうございます。 例年、除夜の鐘を撞(つ)いている間に新年を迎えます。 「除夜の鐘を撞き終わった頃、門松(かどまつ)をかすかに揺らして、新年の神さまが訪れたよう…

月かげ132号

申せば生まると信じて ほれぼれと南無阿弥陀仏 西山上人(しょうにん) 十二月になりました。季節は巡り、美しかったご本山の紅葉も間もなく終わりを迎えようとしています。 さて、ご本山では、現在十三名の僧侶が寝食を共にしています。御法主(ほっしゅ)、宗…

月かげ131号

光台に 見しは見しかは見ざりしを 聞きてぞ見つる白川の関 西山上人(しょうにん) 本山のもみじも少しずつ色づいてまいりました。十一月十五日から、今年も紅葉期特別入山が始まります。 さて、去る十月十八日、当山のお十夜会に、曾根田(そねだ)・竹園社(ち…

月かげ130号

あみだ仏(ぶ)に そむる心の色にいでば 秋のこずゑ(え)のたぐひ(い)ならまし 法然上人(しょうにん) 秋が少しずつ深まって参りました。 本山のもみじも少しずつ色づいてまいりましたが、例年になく、なら枯(が)れもあり、異常気象の影響が本山にも及んでいます…

月かげ129号

南無(なむ)阿弥陀(あみだ) ほとけのみなと思(おも)ひ(い)しに 唱(とな)ふ(う)る人のすがたなりけり 西山(せいざん)上人(しょうにん) 台風に荒れた夏も、少しずつ秋めいて参りました。 私(わたくし)ごとになりますが、去る八月十七日、父の弟の千葉の叔父(お…

月かげ128号

大いなるものにいだかれあることを けさふく風のすずしさにしる 山田無文老師 八月になりました。今年も、お盆の季節が巡って参りました。当山でも、お盆の準備を少しずつ進めています。 さて、世間の風潮(ふうちょう)では、ご先祖さまの供養やお葬式を簡単…

月かげ127号

初めよく 中よく 終わりよく 『法句(ほっく)経(きょう)』より 梅雨時です。 梅雨は、じめじめとして、うっとうしく感じますが、この時季は、紫陽花が咲き、かたつむりが遊び、蛍が飛び交う季節でもあります。かれらにとっては、その一生の中でも、特別な季節…

月かげ126号

啓(けい)白文(びゃくもん) 光明徧(こうみょうへん)照(じょう) 十方(じっぽう)世界(せかい) 念仏(ねんぶつ)衆生(しゅじょう) 摂取不捨(せっしゅふしゃ) (如来の光明は徧(あまね)く十方世界の念仏の衆生を照らして摂取して捨てたまわず) 『仏説観無量寿経』 …

月かげ125号

いろいろの 花のにほひを朝ごとに 四方の仏に たむけつるかな 證恵上人 五月になりました。 今、お寺では、つつじの花が満開です。他にも、こでまりや鉄線、さまざまな花が咲き乱れています。花の周りには、蝶やミツバチなどの昆虫が、蜜を求めて賑やかに集…

月かげ124号

今今と 今という間に 今ぞなく 今という間に 今ぞ過ぎゆく 道歌(どうか) 気づいてみれば、長い冬が終わり、桜が満開となりました。 本山では今、加行(けぎょう)の真っ最中、アミダーブナムアの声が境内に響いています。今年は寒さのためか未だ鶯の鳴き声を聴…

月かげ123号

去(こ)此(し)不遠(ふおん) (此(ここ)を去ること遠からず) 『仏説観無量寿経』より 今年は、寒く長い冬に感じましたが、いつの間にか境内の椿が満開となり、木蓮の蕾が膨らみ、芝生も芽吹いて参りました。 阪神大震災、そして、東日本大震災と福島の原発事…

月かげ122号

念佛是因 成佛是果 台湾仏教の言葉より 春が近づいて参りました。 冬の本山の朝の勤行は、六時十五分から始まります。勤行前、自室から御影堂(みえどう)(本堂)へ行く途中にある寒暖計を見ることが、私の朝の習慣になっています。今頃は、大体一~三度位の…

月かげ121号

念仏(ねんぶつ)一行(いちぎょう) 『選択本願念仏集』より 新年おめでとうございます。 今年が穏やかな一年となりますよう、念じます。 さて、「念仏一行」とは、阿弥陀仏からの私たちへのはたらきかけを表わすことばです。つまり、阿弥陀仏が、ご本願によっ…

月かげ120号

光(こう)台(だい)に見(み)しは見しかは見ざりしを 聞きてぞ見つる白河の関 西山證(せいざんしょう)空(くう)上人 早いもので師走となりました。 十二月十一日は、随(ずい)暢(ちょう)師匠三回忌正当(しょうとう)命日です。 師匠が蒔(ま)かれた念仏の種は、各地…

月かげ119号

勝縁勝境悉(しょうえんしょうきょうしつ)現前(げんぜん) (勝縁、勝境、悉(ことごと)く現前す) 善導大師「要懺悔(ようさんげ)」より 紅葉が少しずつ色づいて参りました。天候不順とはいえ、十一月ともなれば、やはり秋が深まってきました。 秋は文化の季節…

月かげ第118号

たったひとりしかない自分を たった一度しかない一生を ほんとうに生かさなかったら 人間、生まれてきたかいが ないじゃないか 山本有三『路傍の石』より 過ごしやすい季節となりました。 昨年十月一日よりご本山に勤めるようになって、一年が過ぎました。あ…

月かげ第117号

はじめにはわが身の程を信じ、 のちには仏の願を信ずるなり。 法然上人『御消息』より 暑かった夏がようやく終わろうとしています。私も、お盆が終わりご本山での生活に復帰して、少しずつ体調が戻って参りました。 早朝のお勤めより始まるご本山の生活は、…

月かげ第116号

「念仏といふは、仏を念ずるなり。仏を念ずるといふは、其仏(そのほとけ)の因縁をしりてその功徳(くどく)を念ずるを、真(まこと)の念仏とはいふなり」 西山上人『女院(にょいん)御書(ごしょ)』上巻 今年もお盆が近づいて参りました。 ご本山と阿弥陀寺を往復…

月かげ第115号

心を洗う甘露(かんろ)の水 目を悦(よろこ)ばす妙(みょう)華(け)の雲 善導大師「晨朝礼讃偈」より 去る六月二十七日の朝のこと、ご本山でお朝事を終え、六時過ぎに本堂の後門を出て、いつも通り回廊を歩いている時のことでありました。目の前の桜やもみじなど…