月かげ第173号

子供ら仲よく遊んでいる墓の中 種田山頭火 鯉のぼりが眩しい季節です。 「新潟の母方の三十三回忌に、いとこが集まるから、せんなんこと、いっぱいあるけど、無理して行って来る、『月かげ』はお前が書いといて」そう言いながら、今さっき随峰さんが出発しま…

月かげ第172号

「森羅万象、皆是れ無量寿仏なり」 西山上人 桜が満開です。 年に一度の美しい風景。遠くの山に、道沿いに、そして、お寺に、満開の桜が咲いています。 西山上人は、「森羅万象、皆是れ無量寿仏なり」と言われたと伝承されています。 簡単に言えば、一切は阿…

月かげ第171号

夏になると 冬がよいといい 冬になると 夏がよいという 狭い家に住めば 広い家に住む人が 羨ましいといい 広い家に住めば こじんまりした狭い家がよいという 独身の頃には 早く結婚したいといい 結婚すると矢張り独身時代が気楽だっ たという それじゃどこに…

月かげ第170号

見知らぬ人でもいい 雨にぬれていたら 走って行って傘に入れておやり 小さなことでいいのです あなたの胸のともしびを 相手の人にうつしておやり (坂村真民) 寒い日が続きます。 去る一月十四日の日曜日、当山五重相伝厳修の看板を本堂前に設置致しました…

月かげ第169号

およそ聖(しょう)道門(どうもん)は、智慧(ちえ)を極めて 生死(しょうじ)を離れ、浄土門は愚痴(ぐち)に還(かえ)りて極楽に生(しょう)ず 法然上人 新年おめでとうございます。 本年が皆々さまにとりまして、素晴らしき一年となりますよう、心よりお念じ申し上…

月かげ第168号

煩悩にまどい迷える命なれど 久遠(くおん)の聲(こえ)にみちびかれつつゆく 菅田祐凖師 師走となりました。 いよいよ来年は平成三十年です。年末になると毎年、慌(あわ)ただしく大掃除に明け暮れますが、あちらもこちらもと思っている間に年が明けてしまいま…

月かげ167号

山賤(やまがつ)が白木(しらき)の合(ごう)子(し)そのままに 漆(うるし)つけねばはげ色(いろ)もなし 西山上人 紅葉の季節となりました。 さて、去る十月二十二日の夜から二十三日の朝方にかけて、台風二十一号が来襲しました。 二十二日、梶取総持寺では、毎年…

月かげ第166号

仏心とは 大慈悲これなり 「仏説観無量寿経」 すっかり秋ですね。過ごしやすい季節となりました。 さて、去る九月三十日、京都西山高等学校通信単位制課程の後期卒業式が行われ、十四名の生徒が卒業し、理事長として祝辞を述べさせて頂きました。 京都西山高…

月かげ第165号

浄土門は愚痴(ぐち)に還(かえ)りて 極楽に生ず 法然上人 九月になりました。 夏の終わりは寂しく感じます。盛んであったものが、色褪(いろあ)せてゆくからでしょうか。 さて、私たちは、氾濫(はんらん)する情報に麻痺(まひ)してしまっていますが、世界を駆け…

月かげ第164号

一所懸命の人に 仏さんが観える 大佛師 松本明慶先生 お盆の季節となりました。 本山では、七月末に、中学生研修会と暁天講座が開催されます。 七月二十八日早朝の暁天講座で講師をつとめられた大佛師・松本明慶先生からは、「心の目を開け」、と教えて頂き…

月かげ第163号

たなばたや 秋をさだむる 夜のはじめ 松尾芭蕉 七夕の季節となりました。 七夕は、年に一度、夜空で出合う織姫と彦星に、短冊に願いを託(たく)して笹(ささ)に吊るす、日本古来の伝統行事です。 小学校の低学年の頃、クラス全員で短冊に願いを書いて吊るした…

月かげ162号

形見とて何か残さむ春は花 山ほととぎす秋はもみぢ葉 良寛和尚 梅雨が近づいて参りました。 さて、去る五月二十日の土曜日、総本山光明寺東京別院の第二十四回念仏のつどいに参加させて頂きました。その時の講演で松本明慶大佛師より伺ったお話の中で、印象…

月かげ161号

和を以て貴しとなす (聖徳太子十七条憲法より) 新緑の美しい季節となりました。 本山に隣接して京都西山短期大学があります。毎年、百名程度の新入生が入学しますが、半分は中国からの留学生です。私は役職上、京都西山学園の理事長となっていますので、入…

月かげ第160号

願わくは 花の下にて春死なん そのきさらぎの 望月(もちづき)のころ 西行(さいぎょう)法師 四月になりました。 桜を始め、野山に花が咲いています。花は、ただそこに咲いているだけで人の心を慰(なぐさ)めてくれます。 さて、私が俳句を作るようになって丸二…

月かげ第159号

阿弥陀仏、われを摂取したもうと 信ずるひとを念仏衆生という。 (範空上人) 春が近づいて参りました。 梅が咲き、水仙が咲き、木蓮の蕾がふくらんでいます。 私は今、本山で念仏の日暮らしを過ごしています。具体的に言いますと、堀本御法主(ごほっしゅ)と…

月かげ第157号

正月の子供に成(なり)て見(み)たき哉(かな) 小林一茶 明けましておめでとうございます。 年頭にあたり、本年の皆みなさまのご健勝をお念じ申し上げます。 さて、年齢を重ねるごとに、新年を迎える心持ちも少しずつ変わって参りました。子供の頃は、厳かな気…

月かげ第156号

「阿弥陀仏、此(ここ)を去ること遠からず」 『仏説観無量寿経』 今年も師走となりました。 一年は本当に早いものです。そして、私自身にとりましては、今年は多くの方々との終(つい)の別れがありました。 「あっという間の人生、ちゃっとのうや」と随暢師匠…

月かげ第155号

浄土門 ここにはじまる 照(てる)紅葉(もみじ) 鈴(すず)鹿野(かの)風呂(ぶろ) 今年も紅葉の季節を迎えました。 ご本山のもみじも少しずつ色づいて参りました。去る十月二十六日、ご本山では第七七〇回の西山忌が厳修されました。私は初めて称讃(しょうさん)導…

月かげ第154号

「浄土の法門と遊(ゆう)蓮房(れんぼう)とにあへ(え)るこそ、人界(にんがい)の生(しょう)をうけたる思出(おもひで)にて侍(はべ)れ」 法然上人 十月になりました。 十月一日より、ご本山の宗務総長・執事長に就任致しました。四年間の大役です。心して全うした…

月かげ第153号

智者(ちしゃ)のふるまいをせずして ただ一向(いっこう)に念仏すべし 法然上人 九月になりました。 リオオリンピックも終わりました。次は平成三十二年、東京オリンピックです。以前にもお知らせしましたように、阿彌陀寺では平成三十二年三月十一日(水)~…

月かげ第152号

「流派(ながれ)をくむ者 はるかにその源(みなもと)を尋ね、枝葉を愛する者 つとめて その根を培(つちか)う」 「大永(だいえい)の御忌(ぎょき)鳳(ほう)詔(しょう)」より お盆の月となりました。 さて、去る七月二十一日午前十時より、総本山光明寺御影堂(みえ…

月かげ第151号

海風(うみかぜ)の薫(かお)りて清(すが)し 下津(しもつ)浦(うら) 月空 梅雨も終盤にさしかかり、まもなく夏本番です。 去る六月二十二日、総本山光明寺護持会役員会事前打ち合わせで、小田豊護持会長(前長岡京市長)とお話する機会がありました。その会話の…

月かげ第150号

大いなるものにいだかれあることを けさふく風のすずしさにしる 山田無文老師 五月二十七日の朝のことでした。 本山の夏季の朝の勤行(ごんぎょう)は、五時半より始まります。その少し前、外は夜来の雨が上がりかけ、気温は二十三度程、少しむしむししていた…

月かげ149号

今今と今という間に今ぞ無く 今という間に今ぞ過ぎ行く 道歌 木々の緑が日(ひ)一日(いちにち)と色濃くなって参りました。 下津浦では、みかんの木がたくさんの白い蕾(つぼみ)をつけ、今年の豊作が期待されます。 本山では、三月四月の大行事を終え、新緑の季…

月かげ148号

菜の花や 月は東に 日は西に 与謝(よさ)蕪村(ぶそん) 四月になりました。 阿彌陀寺でも、桜が花を咲かせ、楽しませてくれています。 さて、私は一年ほど前より俳句を始めましたが、最近になって、ようやく作句のこつを少しつかみかけたように思います。生ま…

月かげ147号

今日彼岸 菩提(ぼだい)の種(たね)を蒔(ま)く日かな 詠み人知らず もうすぐお彼岸です。例年春のお彼岸の前後には、旧初午の日に、観音堂で観音さまのご供養をします。今年は十三日(日曜日)です。下津では、「七(なな)とこ参り」といって、下津町内七ヶ所の…

月かげ146号

梅(うめ)一輪(いちりん) 一輪ほどの暖かさ 服部(はっとり)嵐(らん)雪(せつ) 寒い日が続きます。 さて、私は、ここ一年ほど、趣味で俳句を詠(よ)むようになりました。毎月、本山の「ひかり」紙に投句し、掲載して頂いています。 俳句には、季語のほかにも細か…

月かげ第145号

衆生(しゅじょう)無辺(むへん)誓願度(せいがんど) (衆生は無辺なれども誓(ちか)って度(ど)せんことを願う) 「四(し)弘(ぐ)誓願(せいがん)」より 新年おめでとうございます。 年頭にあたり、本年が皆々様にとりまして、よき一年となりますよう、お念じ申し…

月かげ第144号

草も木も枯れたる野辺(のべ)に ただひとり 松のみ残る 弥陀の本願 知恩院御詠歌 本山の紅葉の賑わいも終わり、早や師走です。 今年も、多くの方々との出会い、再会と、別れがありました。特に今年は、印象深い別れが多かったように思います。 一般に死別は、…

月かげ143号

あみだ仏(ぶ)に そむる心のいろにいでば あきのこずゑのたぐひ(い)ならまし 法然上人 秋も深まりました。 ここ下津浦の山並みにもみかんがたわわに実り、収穫が始まり、忙しい季節となりました。色づく美しいみかん山は、人と自然の調和の風景であり、豊かな…