たったひとりしかない自分を
たった一度しかない一生を
ほんとうに生かさなかったら
人間、生まれてきたかいが
ないじゃないか
過ごしやすい季節となりました。
昨年十月一日よりご本山に勤めるようになって、一年が過ぎました。あっという間の一年でしたが、振り返ってみれば長かったような気もします。一年間、大きなトラブルもなくつつがなく過ごさせて頂けたことに、心より感謝しております。
二年目を迎えるにあたり思いますのは、やはり、み教えの弘通ということです。
善導大師の『日中礼讃』「三尊礼」に、「本願最為強」とあります。「本願最も強しと為す」。この世界には、弥陀のご本願より強いものは何もないのです。
わが宗の近代の第一人者、関本諦承上人は、弥陀による私たちの救済を、「慈悲正因」と示されました。弥陀のお慈悲によって救われるという意味です。弥陀のお慈悲の源はご本願です。十劫(永遠)の昔、ご本願が成就されたとき、同時に、私の救済もまた成就されました。救済とは幸福という意味です。
極楽浄土のサンスクリット語のスカーヴァティーは、「幸あるところ」と直訳されます。
私がたどり着いた人生の目的・・・。
弥陀のご本願によって、私自身が救済され、幸福となる。だから私はお念仏を唱え、ご本願を伝える・・・。
七年後、二〇二〇年三月、当山では五重相伝会を勤めます。その年の夏、東京で再びオリンピックが開催されます。二〇二〇年に向けて、五重相伝会の準備を少しずつ進めて参りたいと思いますので、皆さま方には結縁されることをお勧め致します。
南無阿弥陀仏 合掌