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月かげ123号

()()不遠(ふおん)

(ここ)去ること遠からず 

 

 

 

仏説観無量寿経より

 

今年は、寒く長い冬に感じましたが、いつの間にか境内の椿が満開となり、木蓮の蕾が膨らみ、芝生も芽吹いて参りました。

阪神大震災、そして、東日本大震災と福島の原発事故などを経て、私の人生観が少しずつ変わって参りました。

今の日本では、自分探しとか、幸福探しとか、そんな言葉が溢れています。それはそれで、否定する気はありません。しかし、それ以前に、仕事は他者のためにするもの、はたらくとは、はたをらくにすること、この当たり前のことを忘れている日本人が増えているように思われてなりません。本来、仕事とは、仕事そのものの中にこそ、喜びと尊さがあるはずです。

かつて、師匠の橋本随暢が、義務と権利主張についてのお説教を、楽しい口調で語る度に、私も笑いながら聞いていた記憶がありますが、義務とは、人間として、人間が社会の中で生きていく上で当たり前に果たさなければならないものであり、権利とは、人間の尊厳が傷つけられないように護るべきものであって、自ら自己の利益のためにのみ主張すべきものではありません。

平和のありがたさに感謝するにつけても、大地に根を下ろした教育がなければ明るい日本の未来はないように思われます。

土を忘れ、パソコンに依存した生活は人間の健全な暮らしではありません。

禍福(かふく)はあざなえる(なわ)のごと人間明日のことはどうなるかわかりません。だからこそ、今の時にしっかりと信仰を確立することが大切なのです。

「まずは胸に仏を宿せ」、先徳の言葉が、心に響いて参ります。

   南無阿弥陀仏      合掌