月かげ133号

除夜の鐘なりしづまりぬ。

かそかなるそよぎをおぼゆ。

かど松のうれに

 

 

釈迢空 

 

新年おめでとうございます。

例年、除夜の鐘を撞(つ)いている間に新年を迎えます。

「除夜の鐘を撞き終わった頃、門松(かどまつ)をかすかに揺らして、新年の神さまが訪れたようだ」という釈迢(しゃくちょう)空(くう)の歌は、日本人の心を表していると思います。

正月の神さまは、そのように門松や〆(しめ)縄(なわ)を依(よ)り代(しろ)として、そっと私たちの家に来て下さるのです。神さまを迎えるために、年末は大掃除をし、正月の飾りを調(ととの)え、餅などのお供えものをします。正月は、神仏とご先祖さまに感謝を捧げ、心新たに一年の弥栄(いやさか)を願うのです。

お正月は寝て過ごすという方もありますが、やはりそれではもったいないように思います。日本には、折々、節目節目の季節の行事がありますが、お正月はその中でも特別なものです。

一年の計は元旦にあり。

今年こそ、という思いを持って、心新たに今年の計画を立ててみようと思います。

   南無阿弥陀仏

     合掌