月かげ第168号

煩悩にまどい迷える命なれど

久遠(くおん)の聲(こえ)にみちびかれつつゆく

 

                  菅田祐凖師

 

師走となりました。

いよいよ来年は平成三十年です。年末になると毎年、慌(あわ)ただしく大掃除に明け暮れますが、あちらもこちらもと思っている間に年が明けてしまいます。今年こそは完璧にしたいと思います。風呂、食堂、トイレ、玄関、居間、仏間、庭・・・。数え上げればたくさんの場所が・・・。

先日、雨が続いた日の午後、突然、ドサッという大きな音がしました。見れば、竈(かまど)の上の壁が中の竹ごと一緒に土間に落ちていました。大変な土ぼこりで、前が見えないくらいでした。幸い、誰もそこにはいなかったので、助かりました。コンテナ二箱に土と竹を片付けました。

翌日、友人のお寺の奥さんに話したご縁で、重要文化財を修復している方に直して頂けることになりました。壁だけでなく、土間も修復することになり、来年のお正月は綺麗な玄関で新年を迎えられそうです。

明治の初めから護られてきた家に住めることは今の時代には珍しいことかもしれません。古い家に住んで、不便もありますが、今は少しずつ直しながら、綺麗になることが喜びでもあります。

「掃除は神事(かみごと)」と言われます。お仏壇や玄関をまずは綺麗にして、来年も歳(とし)神(がみ)さまをお迎えして、一年護られて、楽しく暮らしたいと思います。

           南無阿弥陀仏  合掌