月かげ第169号

およそ聖(しょう)道門(どうもん)は、智慧(ちえ)を極めて 生死(しょうじ)を離れ、浄土門は愚痴(ぐち)に還(かえ)りて極楽に生(しょう)ず

 

 

法然上人

 

新年おめでとうございます。

本年が皆々さまにとりまして、素晴らしき一年となりますよう、心よりお念じ申し上げます。

昨年は、十一月末より、玄関、厨(くりや)の壁塗(かべぬ)り、土間の三和土(たたき)、鐘楼の修復工事を行いましたが、正月までに完成することができました。阿彌陀寺の建物は全て古く、不便ではありますが、部分部分に歴史と味わいがあります。同じように下津浦は、地域全体が、歴史千年の念仏の故郷(ふるさと)です。下津浦が、末永く穏やかに栄えゆくことを念じています。

さて、念仏の功徳(くどく)は、滅罪(めつざい)と往生(おうじょう)と御加護(ごかご)に極まります。

あらゆる道徳的宗教的罪(つみ)が念仏によって浄(きよ)まり、生きている今も、そして、この世との縁の尽きた後(のち)も、往生人として永遠のいのちに生かされてゆくわが身であります。この世にある間は、お念仏によって苦しみは半減し、喜びは、いく倍にもなって、護(まも)り通(どお)しに護られる御加護に与(あずか)る私たちです。

当山では、二年後、二〇二〇年十一月二十日(金)から十一月二十四日(火)まで、五日間の予定で五重相伝を厳修致します。五重相伝は、念仏の相伝です。何度受けてもありがたいものです。どうぞこの機会に、おひとりでも多くの皆さまが、結縁(けちえん)されますことを、年頭にあたり深く祈念(きねん)致します。

南無阿弥陀仏  合掌