月かげ第193号

海(うみ)凪(な)ぎて

大漁旗(たいりょうばた)や

明(あけ)の春(はる)

 

                      月空随峰

 

 

明けましておめでとうございます。

皆さま、お健やかに新年をお迎えのことと存じます。

さて、本年は、阿彌陀寺にとりまして大きな二つの節目を迎えます。

一つは、春に迎える観音堂修復工事の完成です。

白アリのため、約二十年後には取り壊(こわ)すしかないといわれていた観音堂が、平田建設さんの平田博志会長、文化財保護監理者の鳴海祥博先生と巡り合うことによって、文化財として蘇(よみがえ)ることになりました。それにあたり、今まで骨堂(こつどう)と呼ばれ、防空(ぼうくう)壕(ごう)に使用されていたという観音堂裏の小山が、実は古墳であったこともわかりました。(和歌山県認定埋蔵文化財阿弥陀寺古墳)

そして、二つには、今年十一月に、十五年ぶりの五重相伝を厳修致します。

五重相伝は、本願念仏の相伝であり、念仏信仰の確認でもあります。正伝法(しょうでんぼう)を受けますと、法名(ほうみょう)(戒名(かいみょう))を授かります。法名は、仏弟子として生まれ変わったことを示すお名前です。

紀州下津は信仰の町

下津浦は千年続く念仏のふるさと

今年も共々に念仏信仰を深めて参りましょう。

とらわれない心

こだわらない心

もっともっと仲良く

南無阿弥陀仏(十念)    

(井桁雄弘(いげたゆうこう)上人のお言葉)

                   南無阿弥陀仏   合掌