月かげ第194号

夫子(ふうし)の道は

忠恕(ちゅうじょ)のみ

 

            孔子論語里仁第四

 

 

 

そろそろ梅の開花が始まったそうです。今年も無事に法然上人のご法事、第八百九回御忌会(お講)が厳修されました。

そして、観音堂修復工事も、もうすぐ足場(あしば)が撤去(てっきょ)されます。工事も終盤(しゅうばん)になり、一連の工事を通じて一番心に残ることは、工事を担当する職人さん方の姿勢(しせい)です。

先日からずっと一人で黙々と美装(びそう)の仕事をして下さっている美装屋さんに、「大変なお仕事ですね」と声をかけました。

その時、天井(てんじょう)を、丁寧に、すみずみまで洗って下さっていた職人さんが、「大変そうに見えるけど、慣(な)れたらしんどくないんやで。この仕事を始めた頃は肩もこって、首もしんどかったけど、今は何時間、こうしていても平気になったんや。」と言われました。

一つの仕事をやり続け、それぞれの仕事を極めた職人さん方の力の結集によって、間もなく観音堂の修復工事も完了を迎えます。この修復工事を通じ、多くの職人さん方と出会い、親しくさせて頂いた中で、職人さん方から多くのことを学ばせて頂きました。           南無阿弥陀仏  合掌 ⓢ

 

注・「父子の道は忠恕のみ」

(先生の説かれた道は、まごころと思いやりである)