自(じ)灯明(とうみょう)
法(ほう)灯明(とうみょう)
仏陀(ぶっだ)
桜の季節となりました。
この季節、例年ならば、大相撲春場所、選抜高校野球に始まり、入試も終わり、卒業、入学と桜の開花と共に、明るいニュースが全国を駆け巡る時ですが、今年は違います。
新型コロナウイルス肺炎(はいえん)という伝染病(でんせんびょう)が流行して以来、今は世界中このニュースばかりです。
大正七年(一九一八)に流行した、スペイン風邪は全世界で二千五百万人が死亡したそうです。日本では二千五百万人の感染者で死者は三十八万人だったといいます。大戦の戦死者を遥(はる)かに超える深刻な事態だったと聞きました。今から百二年前のことです。多分、阿弥陀寺の檀家(だんか)さんの中にもスペイン風邪になられた方がおられたのではないでしょうか。今となっては、聞くことの出来ないことです。
お釈迦さまの最晩年のみ教えに
自(じ)灯明(とうみょう)
法(ほう)灯明(とうみょう)
というおことばがあります。
お釈迦さまは、四苦八苦(しくはっく)、人生は一切(いっさい)皆(かい)苦(く)だとおっしゃいました。そして、
「人生の暗闇(くらやみ)を歩むにあたり、自(みずか)らを灯明(とうみょう)とし、真理(しんり)の教えを灯明(とうみょう)として生きよ。」と言われたのです。
今は、何もかも便利になり、清潔にもなり、情報も沢山ありますので、手洗い、マスク、除菌、そして、最先端の医療で酸素吸引やウイルス撃退(げきたい)の薬も開発されていますが、それでも自然の驚異(きょうい)には勝てません。鳥インフルエンザも、エボラ出血熱も、毎年毎年、恐ろしい病や大災害が襲(おそ)ってきます。他人事ではすまされない、国民一人ひとりの責任が試(ため)されます。
明治三十六年生まれの田中力子(かね)さんは、国内最高齢で百十七歳です。百十七年という年月を生き抜いてこられた小さいおばあちゃん。どんな人生だったのでしょうか・・・。
寿命は人それぞれで、わかりません。幼(おさな)くして両親と別れる人もいますし、病気もします。だけど、命ある限り、自灯明、法灯明の教えを胸に、一日一日大切に暮らしたいと思います。
閻魔(えんま)さまも外から拝めるようになりました。また、いつでもお参り下さい。
合掌 ⓢ