月かげ第198号

生きて身を

はちすのうえに宿さずば

念仏申す

甲斐やなからん

             西山上人

 

 

すっかり新緑となりました。

またまた、タイムカプセル発見です。

三月初旬に、京都松本明慶工房さまに修復をお願いした聖観音(しょうかんのん)さまの台座から、古文書が見つかりました。とても達筆です。書いたお方は中興(ちゅうこう)開山(かいさん)の音通(おんつう)上人です。宝暦(ほうれき)二年(1752)とありました。つまり、第十二代円空(えんくう)立恵(りゅうえ)上人の頃から寄付をつのり、正徳(しょうとく)二年(1712)に第十五代海潮音智湛(かいちょうおんちたん)上人が観音堂を再建した後、鐘楼、赤門も建築され、寛延(かんえん)三年(1750)、約三十八年後には第十七代音通上人が本堂を再建され、その音通上人が観音さまの台座に古文書を収められたのだと思われます。

詳しくは分かりませんが、ありとあらゆる仏像や仏具がこの間に整えられたようで、古文書には、「赤地金襴斗帳(あかじきんらんとちょう)一掛(ひとかけ)・・・」と書かれていて、その斗帳は今も残されています。

また、調べているうちに、愛知工業大学の岡野先生が寛延三年の本堂の見取り図も書いて下さっていることもわかりました。

本堂は昭和の大戦で爆弾(ばくだん)により屋根が半分吹っ飛んだと聞いております。長い歴史の中、何代にもわたり歴代上人と多くの檀信徒の皆さまに、こうして護持(ごじ)されてきたことは、奇跡的だと思います。

また、観音さまの横に立っておられた二天さま(二体)は平安時代の作であることが判明しました。そして今、とても綺麗に修復して頂いている最中です。

今年は、新型コロナウイルスで五重相伝もどうなるのかと思われましたが、このままいけば開筵(かいえん)出来そうです。立派に修復された観音堂に観音さまをお迎えして、記念の五重相伝となりそうです。

観音さまのご利益を頂ける最高の五重相伝になると思いますので、皆さまどうぞお申し込み下さい、贈五重(先祖代々供養)も、受け付け中です。

観音堂修復工事が完工し、聖観音さまと如意輪(にょいりん)観音さま、三十三体の観音さまが修復された年の記念の五重相伝となります。

とりあえず、六月、七月は三密をさけて八月の施餓鬼会(せがきえ)は山内法要の予定です。

まだまだ新型コロナウイルスの影響もありますので、注意が必要です。

また詳しくは折々にお知らせ致します。みなさまのご健康をお念じ申し上げます。     

南無阿弥陀仏   合掌 ⓢ