月かげ第204号

法(ほう)の楽しみは

すべての楽しみにまさる

 

法句(ほっく)経(きょう)

 

冬が近づいて参りました。

去る十一月二十日(金)から二十四日(火)まで阿彌陀寺におきまして十五年八ヶ月ぶりの五重相伝を厳修致しました。

十一月二十四日、快晴に恵まれて、受者四十一名、無事満座を迎えることが出来ました。コロナ禍の中、よく円成(えんじょう)させて頂けたと深く感謝しております。

組寺の方丈さま方九名の御随喜(ごずいき)のもと、私と随仁の十一名の僧侶で配役を勤めさせて頂きました。五日間、午前八時十五分から午後四時前まで、最終日はお昼前に解散という差(さ)定(じょう)(式次第)通り、連日のお天気にも助けられて、ソーシャルディスタンスを心掛けて勤めました。

朝は検温とアルコール消毒、トイレもペーパータオルを置いて、お茶は紙コップを使い、昼食は八割の方がご自宅で一時間十五分の休憩をとりました。地元の檀家さんがほとんどで、徒歩や自転車、バイクの利用で、駐車場も丁度でした。

四十一名の受者の皆さまに、無事、法然上人、西山上人のご本願のお念仏が相伝されました。

初日は開(かい)白(びゃく)法要を勤め、五重相伝という仏縁に恵まれた歓(よろこ)びについてお説教をさせて頂きました。二日目は懴悔(さんげ)・剃度式(ていどしき)。三日目は正伝法(しょうでんぼう)。四日目に蓮華(れんげ)座(ざ)に座って往生人(おうじょうにん)となって頂きました。五日目の満座法要で血脈(けちみゃく)を授(じゅ)与(よ)し、お礼拝(れいはい)をもって五日間の全日程を終了致しました。

満座(まんざ)の日の、雲一つない晴れ渡った快晴の空が、みほとけさまのお心を象徴しているように感じました。感謝と懴悔、法の歓びに包まれた如法な五日間でした。

南無阿弥陀仏        合掌