2015-01-01から1年間の記事一覧

月かげ第145号

衆生(しゅじょう)無辺(むへん)誓願度(せいがんど) (衆生は無辺なれども誓(ちか)って度(ど)せんことを願う) 「四(し)弘(ぐ)誓願(せいがん)」より 新年おめでとうございます。 年頭にあたり、本年が皆々様にとりまして、よき一年となりますよう、お念じ申し…

月かげ第144号

草も木も枯れたる野辺(のべ)に ただひとり 松のみ残る 弥陀の本願 知恩院御詠歌 本山の紅葉の賑わいも終わり、早や師走です。 今年も、多くの方々との出会い、再会と、別れがありました。特に今年は、印象深い別れが多かったように思います。 一般に死別は、…

月かげ143号

あみだ仏(ぶ)に そむる心のいろにいでば あきのこずゑのたぐひ(い)ならまし 法然上人 秋も深まりました。 ここ下津浦の山並みにもみかんがたわわに実り、収穫が始まり、忙しい季節となりました。色づく美しいみかん山は、人と自然の調和の風景であり、豊かな…

月かげ142号

よろこべば よろこびごとが よろこんで よろこびあつめ よろこびにくる (善因(ぜんいん)善果(ぜんか)のうた) 世の中には、よい意味でも悪い意味でも、驚かされる出来事が多々起こります。 先日、人間世界が娑婆(しゃば)であると思わざるを得ない出来事に遭…

月かげ141号

名月や池をめぐりて 夜もすがら 松尾芭蕉 知らぬ間に、朝夕、少しずつ涼しくなり、夜ともなれば、鈴虫が鳴いています。 今年の十五夜は、彼岸明けの翌日の九月二十七日です。「暑さ寒さも彼岸まで」のことば通りの心地よい季節、すすきも比較的見つけやすい…

月かげ140号

亡き人の 背を洗うごと墓洗う 作者不詳 暑い日が続きます。まもなくお盆です。お盆は、あの世とこの世の交錯(こうさく)する季節、一年の中でも特別な期間だと思います。 子供の頃、毎年八月になると、新潟県の田舎町の映画館では、必ず怪談ものの映画がかか…

月かげ139号

真理(しんり)は一つ、 聖者たちはそれをさまざまの名で呼ぶ リグ・ヴェーダ 去る六月十五日の朝、旧友の、シンガポール、ラーマクリシュナ・ミッションの副院長、スワーミー・サッティヤローカーナンダ師が、光明寺を訪れました。ラーマクリシュナ・ミッショ…

月かげ138号

つゆの身は ここかしこにてきゑ(え)ぬとも こころはおなじはなのうてなぞ 法然上人 今年は、高野山開創千二百年ということで、全国から大勢の方々が高野山にご参詣されました。四月二日の初日には、白鵬・日馬富士、両横綱の土俵入り、五月二十一日の結願法…

月かげ137号

根ほど葉広がる (ことわざより) 青葉の美しい季節となりました。 五月の連休は例年、下津上組の施餓鬼会が厳修されます。午後の法要なので、午前中に法事をして、出かけます。四日は、代務住職をしている梅田・地蔵寺の施餓鬼会です。 地蔵寺はわずか檀家…

月かげ136号

山の三角 弥陀の三尊 松吹く風も聖(しょう)衆(じゅ)来迎(らいこう) 西山上人 桜の季節になりました。 四月八日は花まつりです。お釈迦さまのお誕生日といわれています。お釈迦さまは、お生まれになって、七歩歩(あゆ)まれ、右手で天空、左手で大地を指さされ…

月かげ135号

夕日 親を思わば 夕日を拝め 親は 夕日の真ん中に 西の空見て 南無阿弥陀仏 弥陀は 夕日のその先に 玉虫 小説『親鸞』(五木寛之著)より 「紀州下津浦、ひなびた小さな港町にある古いお寺。そこは、いにしえよりの念仏者のふるさと。千年の昔より念仏の声が…

月かげ134号

生きて身を はちすの上に 宿さずば 念仏申す 甲斐やなからん 西山上人 立春とはいえ、まだまだ寒い日が続いておりますが、梅の蕾がふくらみ始め、春は確実にそこまで来ています。 今朝、イスラム国に拉致されていた後藤健二さんが殺されたと報道されました。…