2013-01-01から1年間の記事一覧

月かげ120号

光(こう)台(だい)に見(み)しは見しかは見ざりしを 聞きてぞ見つる白河の関 西山證(せいざんしょう)空(くう)上人 早いもので師走となりました。 十二月十一日は、随(ずい)暢(ちょう)師匠三回忌正当(しょうとう)命日です。 師匠が蒔(ま)かれた念仏の種は、各地…

月かげ119号

勝縁勝境悉(しょうえんしょうきょうしつ)現前(げんぜん) (勝縁、勝境、悉(ことごと)く現前す) 善導大師「要懺悔(ようさんげ)」より 紅葉が少しずつ色づいて参りました。天候不順とはいえ、十一月ともなれば、やはり秋が深まってきました。 秋は文化の季節…

月かげ第118号

たったひとりしかない自分を たった一度しかない一生を ほんとうに生かさなかったら 人間、生まれてきたかいが ないじゃないか 山本有三『路傍の石』より 過ごしやすい季節となりました。 昨年十月一日よりご本山に勤めるようになって、一年が過ぎました。あ…

月かげ第117号

はじめにはわが身の程を信じ、 のちには仏の願を信ずるなり。 法然上人『御消息』より 暑かった夏がようやく終わろうとしています。私も、お盆が終わりご本山での生活に復帰して、少しずつ体調が戻って参りました。 早朝のお勤めより始まるご本山の生活は、…

月かげ第116号

「念仏といふは、仏を念ずるなり。仏を念ずるといふは、其仏(そのほとけ)の因縁をしりてその功徳(くどく)を念ずるを、真(まこと)の念仏とはいふなり」 西山上人『女院(にょいん)御書(ごしょ)』上巻 今年もお盆が近づいて参りました。 ご本山と阿弥陀寺を往復…

月かげ第115号

心を洗う甘露(かんろ)の水 目を悦(よろこ)ばす妙(みょう)華(け)の雲 善導大師「晨朝礼讃偈」より 去る六月二十七日の朝のこと、ご本山でお朝事を終え、六時過ぎに本堂の後門を出て、いつも通り回廊を歩いている時のことでありました。目の前の桜やもみじなど…