2017-01-01から1年間の記事一覧

月かげ第169号

およそ聖(しょう)道門(どうもん)は、智慧(ちえ)を極めて 生死(しょうじ)を離れ、浄土門は愚痴(ぐち)に還(かえ)りて極楽に生(しょう)ず 法然上人 新年おめでとうございます。 本年が皆々さまにとりまして、素晴らしき一年となりますよう、心よりお念じ申し上…

月かげ第168号

煩悩にまどい迷える命なれど 久遠(くおん)の聲(こえ)にみちびかれつつゆく 菅田祐凖師 師走となりました。 いよいよ来年は平成三十年です。年末になると毎年、慌(あわ)ただしく大掃除に明け暮れますが、あちらもこちらもと思っている間に年が明けてしまいま…

月かげ167号

山賤(やまがつ)が白木(しらき)の合(ごう)子(し)そのままに 漆(うるし)つけねばはげ色(いろ)もなし 西山上人 紅葉の季節となりました。 さて、去る十月二十二日の夜から二十三日の朝方にかけて、台風二十一号が来襲しました。 二十二日、梶取総持寺では、毎年…

月かげ第166号

仏心とは 大慈悲これなり 「仏説観無量寿経」 すっかり秋ですね。過ごしやすい季節となりました。 さて、去る九月三十日、京都西山高等学校通信単位制課程の後期卒業式が行われ、十四名の生徒が卒業し、理事長として祝辞を述べさせて頂きました。 京都西山高…

月かげ第165号

浄土門は愚痴(ぐち)に還(かえ)りて 極楽に生ず 法然上人 九月になりました。 夏の終わりは寂しく感じます。盛んであったものが、色褪(いろあ)せてゆくからでしょうか。 さて、私たちは、氾濫(はんらん)する情報に麻痺(まひ)してしまっていますが、世界を駆け…

月かげ第164号

一所懸命の人に 仏さんが観える 大佛師 松本明慶先生 お盆の季節となりました。 本山では、七月末に、中学生研修会と暁天講座が開催されます。 七月二十八日早朝の暁天講座で講師をつとめられた大佛師・松本明慶先生からは、「心の目を開け」、と教えて頂き…

月かげ第163号

たなばたや 秋をさだむる 夜のはじめ 松尾芭蕉 七夕の季節となりました。 七夕は、年に一度、夜空で出合う織姫と彦星に、短冊に願いを託(たく)して笹(ささ)に吊るす、日本古来の伝統行事です。 小学校の低学年の頃、クラス全員で短冊に願いを書いて吊るした…

月かげ162号

形見とて何か残さむ春は花 山ほととぎす秋はもみぢ葉 良寛和尚 梅雨が近づいて参りました。 さて、去る五月二十日の土曜日、総本山光明寺東京別院の第二十四回念仏のつどいに参加させて頂きました。その時の講演で松本明慶大佛師より伺ったお話の中で、印象…

月かげ161号

和を以て貴しとなす (聖徳太子十七条憲法より) 新緑の美しい季節となりました。 本山に隣接して京都西山短期大学があります。毎年、百名程度の新入生が入学しますが、半分は中国からの留学生です。私は役職上、京都西山学園の理事長となっていますので、入…

月かげ第160号

願わくは 花の下にて春死なん そのきさらぎの 望月(もちづき)のころ 西行(さいぎょう)法師 四月になりました。 桜を始め、野山に花が咲いています。花は、ただそこに咲いているだけで人の心を慰(なぐさ)めてくれます。 さて、私が俳句を作るようになって丸二…

月かげ第159号

阿弥陀仏、われを摂取したもうと 信ずるひとを念仏衆生という。 (範空上人) 春が近づいて参りました。 梅が咲き、水仙が咲き、木蓮の蕾がふくらんでいます。 私は今、本山で念仏の日暮らしを過ごしています。具体的に言いますと、堀本御法主(ごほっしゅ)と…