2016-01-01から1年間の記事一覧

月かげ第157号

正月の子供に成(なり)て見(み)たき哉(かな) 小林一茶 明けましておめでとうございます。 年頭にあたり、本年の皆みなさまのご健勝をお念じ申し上げます。 さて、年齢を重ねるごとに、新年を迎える心持ちも少しずつ変わって参りました。子供の頃は、厳かな気…

月かげ第156号

「阿弥陀仏、此(ここ)を去ること遠からず」 『仏説観無量寿経』 今年も師走となりました。 一年は本当に早いものです。そして、私自身にとりましては、今年は多くの方々との終(つい)の別れがありました。 「あっという間の人生、ちゃっとのうや」と随暢師匠…

月かげ第155号

浄土門 ここにはじまる 照(てる)紅葉(もみじ) 鈴(すず)鹿野(かの)風呂(ぶろ) 今年も紅葉の季節を迎えました。 ご本山のもみじも少しずつ色づいて参りました。去る十月二十六日、ご本山では第七七〇回の西山忌が厳修されました。私は初めて称讃(しょうさん)導…

月かげ第154号

「浄土の法門と遊(ゆう)蓮房(れんぼう)とにあへ(え)るこそ、人界(にんがい)の生(しょう)をうけたる思出(おもひで)にて侍(はべ)れ」 法然上人 十月になりました。 十月一日より、ご本山の宗務総長・執事長に就任致しました。四年間の大役です。心して全うした…

月かげ第153号

智者(ちしゃ)のふるまいをせずして ただ一向(いっこう)に念仏すべし 法然上人 九月になりました。 リオオリンピックも終わりました。次は平成三十二年、東京オリンピックです。以前にもお知らせしましたように、阿彌陀寺では平成三十二年三月十一日(水)~…

月かげ第152号

「流派(ながれ)をくむ者 はるかにその源(みなもと)を尋ね、枝葉を愛する者 つとめて その根を培(つちか)う」 「大永(だいえい)の御忌(ぎょき)鳳(ほう)詔(しょう)」より お盆の月となりました。 さて、去る七月二十一日午前十時より、総本山光明寺御影堂(みえ…

月かげ第151号

海風(うみかぜ)の薫(かお)りて清(すが)し 下津(しもつ)浦(うら) 月空 梅雨も終盤にさしかかり、まもなく夏本番です。 去る六月二十二日、総本山光明寺護持会役員会事前打ち合わせで、小田豊護持会長(前長岡京市長)とお話する機会がありました。その会話の…

月かげ第150号

大いなるものにいだかれあることを けさふく風のすずしさにしる 山田無文老師 五月二十七日の朝のことでした。 本山の夏季の朝の勤行(ごんぎょう)は、五時半より始まります。その少し前、外は夜来の雨が上がりかけ、気温は二十三度程、少しむしむししていた…

月かげ149号

今今と今という間に今ぞ無く 今という間に今ぞ過ぎ行く 道歌 木々の緑が日(ひ)一日(いちにち)と色濃くなって参りました。 下津浦では、みかんの木がたくさんの白い蕾(つぼみ)をつけ、今年の豊作が期待されます。 本山では、三月四月の大行事を終え、新緑の季…

月かげ148号

菜の花や 月は東に 日は西に 与謝(よさ)蕪村(ぶそん) 四月になりました。 阿彌陀寺でも、桜が花を咲かせ、楽しませてくれています。 さて、私は一年ほど前より俳句を始めましたが、最近になって、ようやく作句のこつを少しつかみかけたように思います。生ま…

月かげ147号

今日彼岸 菩提(ぼだい)の種(たね)を蒔(ま)く日かな 詠み人知らず もうすぐお彼岸です。例年春のお彼岸の前後には、旧初午の日に、観音堂で観音さまのご供養をします。今年は十三日(日曜日)です。下津では、「七(なな)とこ参り」といって、下津町内七ヶ所の…

月かげ146号

梅(うめ)一輪(いちりん) 一輪ほどの暖かさ 服部(はっとり)嵐(らん)雪(せつ) 寒い日が続きます。 さて、私は、ここ一年ほど、趣味で俳句を詠(よ)むようになりました。毎月、本山の「ひかり」紙に投句し、掲載して頂いています。 俳句には、季語のほかにも細か…