月かげ第243号

補陀落(ふだらく)や

霧(きり)晴れ渡り

那智(なち)の滝(たき)

                月空國孫(がっくうくにみま)

 

 

 

去る二月六日、かねてより念願であった新宮の神倉(かみくら)神社(じんじゃ)の御(お)燈(とう)祭(まつり)に参拝しました。

家内と家内の姉と三人で、四年ぶりに行われる御燈祭の上(あが)り子(こ)の火が五三八段に及ぶ長い石段を駆け下りるのを待ちました。貴重な体験であり、神の存在を身近に感じることができました。

翌日は、久々に那智の滝にお参りし、熊野那智(なち)大社(たいしゃ)と青(せい)岸(がん)渡寺(とじ)に参拝して帰山しました。 

両日ともに快晴の上天気で、初日には、新宮に向かう途中、串本の橋(はし)杭岩(くいいわ)を眺め、和歌山に住む幸福をしみじみと味わいました。

家内の姉の宣子(のぶこ)さんは個性的な人でカナダ在住ですが、今一時帰国していて、姉とはしゃぐ家内が小学生のようで面白かったです。

この二月半ば、個人的に嬉しいことがありました。数年来の霧が晴れたような気分です。 

折しも、二月七日、那智の滝の滝(たき)壺(つぼ)に美しい虹が架かっていました。

心洗われ、感動しました。人生は美しい・・・・。素直にそう思えました。

                

                   南無阿弥陀仏     合掌