2022-01-01から1年間の記事一覧

月かげ第229号

あらたまの佳き一年の 日の出かな 月空 新年おめでとうございます。 昨年は、日々のニュースは、ロシア、ウクライナの戦争とコロナ禍で暮れました。年頭に当たり、今年が明るい一年となりますことを、心より祈念致します。 さて、歳を取ると、気力、体力の低…

月かげ第228号

身体(からだ)で覚(おぼ)えるしかありません 大工棟梁・中村外二(そとじ) 師走となりました。 令和四年もあと少しとなりました。 先日、和歌山城横の和歌山県立近代美術館に行って参りました。インドのマハラシュトラ州と友好交流している和歌山県が主催の展…

月かげ第227号

ふるさとの山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山は ありがたきかな 石川啄木 今年も、間もなく紅葉の季節です。 また、 秋は実りの季節、みかん採(と)りの季節でもあります。美しい季節を、平和に迎えられることに感謝ですが、世界に目を向ければ、胸が痛む…

月かげ第226号

弥陀(みだ)たのむ 身(み)となりぬればなかなかに 暇(いとま)はありて暇(いとま)なの身や 西山上人 秋の夜長となりました。 『月かげのいたらぬ里はなけれども ながむる人の心にぞすむ』 法然上人のこのお歌の意味を、月を見ながら時々考えます。綺麗なお月さ…

月かげ第225号

突(つ)き抜(ぬ)けて 天上の紺(こん) 曼殊沙(まんじゅしゃ)華(げ) 山口誓子(せいし) 九月に入り、ようやく秋の気配です。 先日、墓地の水漏れが確認されました。昭和の時代に共同墓地として開発された場所です。今は亡き方々が中心となって共同で造成された区…

月かげ第224号

月かげの いたらぬ里はなけれども ながむる人の心にぞすむ 法然上人 暑いお盆の季節がやって参りました。 今年の棚経は例年どおり、お参りさせて頂きます。 コロナ禍も二年を超えて、いよいよウイズコロナということで、上手に付き合うしかありません。一年…

月かげ第223号

真理は一つ 聖者たちはそれを さまざまの名で呼ぶ リグ・ヴェーダ 今年は特別梅雨明けが早くて、暑い夏が長いそうです。日差しが強くて、熱中症注意のニュースばかりが流れています。 先日、三年ぶりにシンガポールから来日されたスワミー・サッティヤ・ロー…

月かげ第222号

真実の心とは 正直の心なり 西山上人 まもなく梅雨です。 梅雨は、稲(いね)がすくすく育つ季節です。稲だけではありません。梅の実も野菜もすくすく育ちます。災害さえなければ雨の季節もまたよし、です。 さて、西山上人は「至誠(しじょう)心(しん)とは真実…

月かげ第221号

わし 誕生日に 死ぬさか 予言 五月です 一年はあっという間。誕生と別れの繰り返しです。 「わし、明日(あした)死ぬさか」 これは和歌山弁ですが、標準語では「私は明日、死にますからね」というような意味です。今年の三月に数え九十五歳でお亡くなりになら…

月かげ第220号

春筍 祖母の里より 賜(たまわ)りぬ 草間時彦 うぐいすの鳴き声が聞こえてきます。 春になったら、山東(さんどう)の筍(たけのこ)の香りが懐かしいです。丁度、二十年前、十五年間お世話になった山東の薬善寺から下津浦阿彌陀寺に引っ越し(入山)しました。随…

月かげ第219号

日月(にちがつ)をもってわが光明とせば 二六時中(にろくじちゅう)くらきことなし 慈雲尊者 弥生三月となりました。今年の冬は寒く、私の故郷越後(えちご)魚沼(うおぬま)では、ここ十年で一番の大雪となり、積雪が二メートル五十センチを超えたそうです。下津…

月かげ第218号

冬来りなば 春遠からじ 英国詩人 シェリー まもなく立春です。 今年も春が巡って参ります。もうじき、梅が咲き、桃が咲き、桜が咲いて、やがて新緑の季節となります。 コロナ禍も、いずれ収まるでしょう。春の来ない冬はない。朝の来ない夜はない。雨はやが…

月かげ217号

門松(かどまつ)や おもへ(え)ば一夜(いちや) 三十年 松尾芭蕉 新年おめでとうございます。 コロナ禍もほぼ終息(しゅうそく)し、今年が皆々さまにとりまして、佳(よ)き一年となりますことを心よりお念じ申し上げます。 さて、私もこの正月五日で満六十三歳を …