月かげ第241号

 念ずれば花ひらく

 

       

             坂村真民

 

 

新年おめでとうございます。

令和六年になりました。今年は辰年です。辰は龍のことでもあり、十二支の中で唯一の空想上の生きものです。お寺の欄間(らんま)や天井などにも描かれ、仏教の守護神でもあります。

縁起の良い干支でさまざまな願いをかなえてくれるだけでなく、あらゆる物事をいい方向へ導いてくれる力があるとされています。

年頭にあたり、ひとつだけ辰に願い事をしてみようかと思います。

昨年、十二月にみなべの母が亡くなりました。保寿九十七歳でした。長年お寺の生活で色々な方々のお葬式に携(たずさ)わって来て、父も 送り、母も送り、とうとうこれで無事に親孝行も済んだかと思いました。親孝行というほどのことは何もできずじまいでしたが、新潟の義父が「親を送ったから私の仕事は終わった」と言っていたのが思い出され、私もしみじみしました。いつの間にか、歳を重ね、今こうして生かされていることに感謝しかありません。今年一年が、皆さま方にとりまして、よき一年となりますように・・・。

また阿弥陀寺にお参り下さい。  ⓢ  

               南無阿弥陀仏     合掌