2014-01-01から1年間の記事一覧

月かげ133号

除夜の鐘なりしづまりぬ。 かそかなるそよぎをおぼゆ。 かど松のうれに 釈迢空 新年おめでとうございます。 例年、除夜の鐘を撞(つ)いている間に新年を迎えます。 「除夜の鐘を撞き終わった頃、門松(かどまつ)をかすかに揺らして、新年の神さまが訪れたよう…

月かげ132号

申せば生まると信じて ほれぼれと南無阿弥陀仏 西山上人(しょうにん) 十二月になりました。季節は巡り、美しかったご本山の紅葉も間もなく終わりを迎えようとしています。 さて、ご本山では、現在十三名の僧侶が寝食を共にしています。御法主(ほっしゅ)、宗…

月かげ131号

光台に 見しは見しかは見ざりしを 聞きてぞ見つる白川の関 西山上人(しょうにん) 本山のもみじも少しずつ色づいてまいりました。十一月十五日から、今年も紅葉期特別入山が始まります。 さて、去る十月十八日、当山のお十夜会に、曾根田(そねだ)・竹園社(ち…

月かげ130号

あみだ仏(ぶ)に そむる心の色にいでば 秋のこずゑ(え)のたぐひ(い)ならまし 法然上人(しょうにん) 秋が少しずつ深まって参りました。 本山のもみじも少しずつ色づいてまいりましたが、例年になく、なら枯(が)れもあり、異常気象の影響が本山にも及んでいます…

月かげ129号

南無(なむ)阿弥陀(あみだ) ほとけのみなと思(おも)ひ(い)しに 唱(とな)ふ(う)る人のすがたなりけり 西山(せいざん)上人(しょうにん) 台風に荒れた夏も、少しずつ秋めいて参りました。 私(わたくし)ごとになりますが、去る八月十七日、父の弟の千葉の叔父(お…

月かげ128号

大いなるものにいだかれあることを けさふく風のすずしさにしる 山田無文老師 八月になりました。今年も、お盆の季節が巡って参りました。当山でも、お盆の準備を少しずつ進めています。 さて、世間の風潮(ふうちょう)では、ご先祖さまの供養やお葬式を簡単…

月かげ127号

初めよく 中よく 終わりよく 『法句(ほっく)経(きょう)』より 梅雨時です。 梅雨は、じめじめとして、うっとうしく感じますが、この時季は、紫陽花が咲き、かたつむりが遊び、蛍が飛び交う季節でもあります。かれらにとっては、その一生の中でも、特別な季節…

月かげ126号

啓(けい)白文(びゃくもん) 光明徧(こうみょうへん)照(じょう) 十方(じっぽう)世界(せかい) 念仏(ねんぶつ)衆生(しゅじょう) 摂取不捨(せっしゅふしゃ) (如来の光明は徧(あまね)く十方世界の念仏の衆生を照らして摂取して捨てたまわず) 『仏説観無量寿経』 …

月かげ125号

いろいろの 花のにほひを朝ごとに 四方の仏に たむけつるかな 證恵上人 五月になりました。 今、お寺では、つつじの花が満開です。他にも、こでまりや鉄線、さまざまな花が咲き乱れています。花の周りには、蝶やミツバチなどの昆虫が、蜜を求めて賑やかに集…

月かげ124号

今今と 今という間に 今ぞなく 今という間に 今ぞ過ぎゆく 道歌(どうか) 気づいてみれば、長い冬が終わり、桜が満開となりました。 本山では今、加行(けぎょう)の真っ最中、アミダーブナムアの声が境内に響いています。今年は寒さのためか未だ鶯の鳴き声を聴…

月かげ123号

去(こ)此(し)不遠(ふおん) (此(ここ)を去ること遠からず) 『仏説観無量寿経』より 今年は、寒く長い冬に感じましたが、いつの間にか境内の椿が満開となり、木蓮の蕾が膨らみ、芝生も芽吹いて参りました。 阪神大震災、そして、東日本大震災と福島の原発事…

月かげ122号

念佛是因 成佛是果 台湾仏教の言葉より 春が近づいて参りました。 冬の本山の朝の勤行は、六時十五分から始まります。勤行前、自室から御影堂(みえどう)(本堂)へ行く途中にある寒暖計を見ることが、私の朝の習慣になっています。今頃は、大体一~三度位の…

月かげ121号

念仏(ねんぶつ)一行(いちぎょう) 『選択本願念仏集』より 新年おめでとうございます。 今年が穏やかな一年となりますよう、念じます。 さて、「念仏一行」とは、阿弥陀仏からの私たちへのはたらきかけを表わすことばです。つまり、阿弥陀仏が、ご本願によっ…