見知らぬ人でもいい
雨にぬれていたら
走って行って傘に入れておやり
小さなことでいいのです
あなたの胸のともしびを
相手の人にうつしておやり
(坂村真民)
寒い日が続きます。
去る一月十四日の日曜日、当山五重相伝厳修の看板を本堂前に設置致しました。当山では二〇二〇年十一月二十日(金)~二十四日(火)まで五日間の予定で、平成十七年三月以来、十五年ぶりの五重相伝を厳修致します。
五重相伝は念仏の相伝です。お一人おひとりが念仏衆生になって頂く。「念仏衆生とは、阿弥陀仏われを摂取(せっしゅ)したもうと信ずる人」のことです。すなわち、「阿弥陀さま、お助け頂きましてありがとうございます」という心持ちになって頂くということです。
「たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか」(山本有三『路傍(ろぼう)の石』より)
「ほんとうに生かす」とは、どういうことでしょうか。
それは、信仰・真理に目覚めた人、真の人間になることです。
五重相伝は、わが西山浄土宗における、もっとも厳粛(げんしゅく)かつ意義深い、真の人間に目覚めしめるための伝統的な大法会です。
受け難(がた)き人身を受け、遇(あ)い難き仏法(本願)に逢い、発(おこ)し難き道心をおこして、お念仏をよろこび感謝して、使命に生きる人間となるのです。
一人でも多くの皆さまが、この度の五重相伝に結縁(けちえん)されることを、心よりお待ち申し上げます。
南無阿弥陀仏 合掌