月かげ第166号

仏心とは

大慈悲これなり

 

 

   仏説観無量寿経

 

すっかり秋ですね。過ごしやすい季節となりました。

さて、去る九月三十日、京都西山高等学校通信単位制課程の後期卒業式が行われ、十四名の生徒が卒業し、理事長として祝辞を述べさせて頂きました。

京都西山高等学校は、総本山光明寺第六十九世法主・関本諦承(たいじょう)上人によって九十年前に設立された宗門校です。

その建学の精神は、「学仏(がくぶつ)大悲(だいひ)心(しん)」(仏の大悲心を学ぶ)です。さらに、み仏の慈悲(じひ)と智慧(ちえ)を学ぶ、とあります。元来、慈悲も智慧もみ仏より授かるものです。実際には、慈悲と智慧といってもピンとこないかもしれません。

そこで、まず智慧は、正(しょう)見(けん)に通ずるということで、あらゆる角度から物事を眺めることが大切である、とお話し致しました。たとえば、ひとつの出来事を眺めたとき、あらゆる角度から眺めて、初めて真実に近づく、といったようにです。一面から眺めただけでは真実は見えません。

そして、慈悲については、人の悲しみに本気で寄り添うことが大切である、傍観者としてではなく、と伝えさせて頂きました。

去る九月十一日、師匠橋本随暢上人の七回忌が厳修されました。

懐かしさと共に、師匠の偉大さ、布教伝道の大切さを、改めてしみじみと感じる今日この頃です。

南無阿弥陀仏  合掌