月かげ第151号

 

 

海風(うみかぜ)の薫(かお)りて清(すが)し 下津(しもつ)浦(うら)

 

            

 

          月空

 

 

梅雨も終盤にさしかかり、まもなく夏本番です。

去る六月二十二日、総本山光明寺護持会役員会事前打ち合わせで、小田豊護持会長(前長岡京市長)とお話する機会がありました。その会話の中で小田氏が、「地球を支配しているのは結局のところ人間です。だから、人間の行為によって、地球環境はよくも悪くもなります。いかにそこを自覚し、コントロールしてゆくかが大切ですし、それができる人間を育てることが重要ですね」とおっしゃられました。いつの時代もどこかで戦争が続いています。日本においても、沖縄をはじめ、各地の米軍基地がある限り、戦争を身近に感じざるを得ません。また、イギリスのEU離脱問題は、今後の世界経済に暗い影を落とし、日本にとっても明るいニュースとはいえません。世界が混沌としてきている・・・。

この先、地球も人類も、想像を超えた未来が待っているのかもしれません。

しかしながら、私たちにはお念仏があります。八百五十年前の法然上人の時代、日本は戦乱と飢饉地震などで殺伐とした環境でした。人々はみな、法然上人の説く本願念仏に導かれ、日本の津津浦浦からお念仏の声が聞こえていたということです。

世は如何にありとも

人はいかにありとも

愚かしきことの いかに多く

われを 悩ますとも

まことの道

ひとすじにまもりて

迷わず 臆せず

みほとけとともに

われ 強く 生きぬかん