月かげ第202号

彼(か)の岸(きし)に渡(わた)る

                仏陀の教え

 

 

暑い夏が終わり、みかんが色づく秋となりました。

いよいよ、五重相伝です、何年も前から計画して、東京オリンピックの年に、と考えていましたが、今年のオリンピックは中止となり、思わぬコロナ禍で、世の中が一(いっ)変(ぺん)しました。しかし、来年はコロナ禍でも、オリンピックは開催(かいさい)されると決まったそうで、よかったなぁ・・・と思います。

佛教の世界での幸せの定義(ていぎ)は、此(こ)の岸(きし)から彼(か)の岸に渡ること。つまり、仏さまの世界に大乗(だいじょう)の船に乗り、渡ることです。

そして、彼の岸に渡るということは、心の平安を意味します。心が穏(おだ)やかであること、これにつきます。

気持ちの持ち方で、その人の幸せは決まるといっても過言(かごん)ではありません。イライラしたり、わーわー泣いたり、心は常に変わります。どんな状況になっても、平常(へいじょう)心(しん)でいれること、それはなかなか出来ませんが、歳(とし)を取るほど、気が強くなると言います。

歳をとると、身体は弱くなるけど、気は強くなるそうです。

九十六歳まで生きた私の祖母は、毎日親しくしていた一番の友人が突然(とつぜん)亡くなっても、一言(ひとこと)、「寿命(じゅみょう)やな」と、泣きもしなかったことを思い出します。小学生だった、私や姉は、びっくりしたことを今も覚えています。 皆さまの周りにもそんな方はおられますか・・・。いつかそんな祖母に近づいて、あの世で会える日まで、心穏やかに、お念仏を唱えたいと思います。

南無阿弥陀仏   合掌 ⓢ