月かげ第225号

突(つ)き抜(ぬ)けて

天上の紺(こん)

曼殊沙(まんじゅしゃ)華(げ)

                山口誓子(せいし)

 

 

九月に入り、ようやく秋の気配です。

先日、墓地の水漏れが確認されました。昭和の時代に共同墓地として開発された場所です。今は亡き方々が中心となって共同で造成された区域で、水道工事をされた方も亡くなり、配管がどうなっているのかもよくわかりません。これから先、お墓を護る方々(かたがた)も代替わりして行く中、確実に維持出来る方向で進めなければなりません。

お墓参りは今も昔も変わりませんが、時代はどんどん変わり、仮想(かそう)空間(くうかん)で買い物が出来る時代です。メタバースといって、ゲームのように、百貨店の中を映像(えいぞう)で見ながらお買い物が出来るそうです。都会ではスーパーも無人化されてきて、買い物カゴに入れると支払い金額がデジタルで分かるそうです。ただ、これだけデジタル化が進んで、コンピューターに支配されても、人間自体はアナログです。ボタンで動く筈(はず)もなく、自分の足で歩いて、自分の頭で考え、自然に逆らわないことが一番です。

「人間にとって一番大切なものは信仰です。信仰はデジタルではありません。信仰はアナログですよ」と、ソフトバンクの社長の宮川さんがおっしゃっておられたそうです。

間もなく秋のお彼岸です。お彼岸はお浄土がもっともこの世に近い、太陽が真西に沈む季節です。皆さまのお参りをお待ち申し上げます。 

               南無阿弥陀仏  合掌    ⓢ

 

追記・宮川潤一社長の実家は臨済宗のお寺で花園大学の卒業生です。