月かげ第183号

菜の花や

月は東に日は西に  

 

 

与謝蕪村

 

 

 

春のお彼岸が近づいて参りました。

先日、有田市民会館で映画を見ました。和歌山を元気にする活動をしている人たちが主催するイベントで、友だちが司会をしていました。映画は「ガイアシンフォニー第八番」でした。映画の中で美智子妃殿下のお話が紹介されていました。その中に、「苦しみや悲しみを胸の中に押し込んで、心の中で泣いている人がいます。そのような時、音楽を聴くことによって、心の中の涙が外にあふれ出します。だから音楽は必要なんです。」というような、お話でした。

いつまでも泣いてばかりはいられないと、元気にふるまう中で、頑張りすぎて自分の心や身体が悲鳴をあげてしまうこともあります。だから、そんな時はゆっくり音楽を聴いて、涙したり、元気に歌ってみたり、音楽の力はそんな風に人を癒(いや)してくれるのだなぁと思いました。

今、阿彌陀寺では観音堂の修復工事中です。シロアリに食べられたボロボロの木も、まだ使える木と使えない木に分けて、修復されます。建立当初の元気な木も残っています。木は水に弱いから雨漏りは大敵、上手に乾燥させて、大事にしたら何百年でも持つということです。

観音堂の裏に発見された古墳(こふん)も珍しい形態だそうです。河内長野市から来られた横穴式古墳の専門家の先生も驚いて、上の部分は徳島の古墳に似ているとおっしゃって、これからまた本格的に調査してくれることになりました。

地球は生きています。そして、私たち人間も進化しながら、繋(つな)がりながら生きています。亡くなられた人たちが応援してくれている、今の頑張りが未来に続く・・・と思いながら、全てのいのちを大切にしていきたいと思います。  合掌   

(文・さよ)