月かげ第187号

いっしょうけんめいの人に

仏さんが見える

 

 

      大佛師・松本明慶師

 

いよいよ夏が近づき、あと一ヶ月でお盆となります。

天才と云われる日本一の大佛師、松本明慶先生が、随峰さんに、「一日は二十四時間、八時間仕事して、八時間寝て、八時間自分の好きなことをすればよい」ということを言っておられたと、聞きました。三百六十五日休みなし、そうおっしゃっておられた先生が、何千何万体もの仏像を作り続け、そして四十人を超えるお弟子方を育てられる日々を通してのお言葉です。休む暇などありません。

どんな時も活き活きと優しいお言葉で、人と対応され、そしてあの大きな大仏や繊細な小さい仏様まで作り出される力は神技(かみわざ)としか言いようがありません。

一日二十四時間、人それぞれ、どんな風に時間を使うかは自由です。だけど、明慶先生のお言葉を聞くと、積み重ねられた、努力と鍛錬(たんれん)の日々がその人を作ってゆくのだなぁと思うのです。

人に強制される人生は辛(つら)いばかりだと思います。自分の人生は一度限り、そして身体も心も、神仏とご先祖さまからの預かりものです。お墓に入るまでどれだけの時間が残されているのでしょう・・・。まだまだ人生は続きます。誰もが天才になれる素養があるのだと思います。 自分自身の至らなさを反省しつつ、少しでも近づきたい思いです。
    南無阿弥陀仏  合掌                  (文・さよ)