月かげ第209号

今の人は

自然に合わせるのが

下手やねん

       (桜守 十六代佐野藤右衛門)

 

新緑が美しい季節となりました。

当山では、例年六月の第二土曜日は仏教講演会を開催(かいさい)していますが、今年はコロナ禍で中止と致します。去年の十一月に五重相伝を開催して、今年の三月に観音堂落慶式を厳修できたことは、本当にありがたかったと思います。これだけ関西でもコロナ患者が増えて、変(へん)異株(いかぶ)といわれるうつりやすいコロナウイルスが流行してきました。早い終息を願うばかりです。

 先日、ある檀家さんがお寺に来て、「今朝がた不思議な夢を見た」と、おっしゃられました。神々しい光が 天空から真っすぐお墓にさしている夢だったそうです。不思議な夢の話はその後続(つづ)きがありますが・・・。一番驚(おどろ)くことは、よく、正夢(まさゆめ)とか言いますが、死後の世界に、先に往(い)った人が、いろいろ教えに来てくれたりすることです。目に見えない世界を感じながら生きていると、ほとけさまからのお知らせのような、予感や予言とか、五感を超えた第六感のようなものがはたらきます。ふと頭に浮かんだ人が急に現れたり、電話をかけてきたり、不思議です。本来の人間の能力はもっと鋭いのでしょう・・・。一番面白(おもしろ)いのは、家(うち)にいる猫が、遠くの方から野良猫が近づいてくると、耳をピンと立てて教えてくれることです。そして、必ず隠(かく)れます。戦いの嫌いな弱っちい家のミーコですが、人間には見えないものが見えたり感じたり、色々、教えてくれます。

 

   南無阿弥陀仏    合掌  ⓢ