月かげ233号

大和(やまと)は国の真(ま)秀(ほ)ろば 

畳(たた)なづく青垣(あおがき)
  山(やま)籠(ごも)れる 

大和しうるはし 

 

              『古事記』より

風薫る季節。今年も緑いっぱいの山々に爽やかな海風が吹いて、自然の美しさがまぶしい季節となりました。

例年行われている輪番御忌は、今年三年ぶりに竹園社さんで厳修されることになりました。以前のように多人数で集まることはありませんが、それぞれ、当番のお寺を中心に無理のない形で行うこととなりました。

竹園社さんは明秀上人が最晩年に住まれたお寺で、曽根田にあります。曽根田は下津町でも山の中で、高速道路の下津インターの入口で高い山に囲まれています。空気は本当によくて、竹園社さんにお参りすると、パワースポットという感じがします。その先にある引尾の立(たて)神社(がみしゃ)も有名で、毎年行われている

大餅(もち)投(な)げは遠くの方からも大勢来られて、それはそれはすごいお祭りです。私も一度、竹園社の奥さまに連れて行ってもらいました。若い男性が 中心に集まって、段々になっている石垣の上から何バイものお餅が次から次へと放(ほう)り投げられて、面白かったです。

五月十四日には得生寺さまでは中将(ちゅうじょう)姫(ひめ)の会式があります。二十五(にじゅうご)菩薩(ぼさつ)のお面を付けてお渡りをする会式は本当に美しいです。

有吉佐和子さんが小説『有田川』に書いている有名な会式で、小学生がお面を付けて歩きます。出店も出て賑やかです。

和歌山は高野山、藤白、龍神熊野古道など、信仰の文化遺産が各地に残っています。

皆さまもこの季節、ちょっと足を伸ばしてお参りしてみては如何でしょうか。すぐ近くにも沢山ありますよ。         ⓢ

    南無阿弥陀仏      合掌